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決算と株価

エヌビディアは好決算でも株価が下がる?会社予想に対する上振れ率と、決算翌日の値動きを検証

  • 検証期間2024年度第2四半期〜2027年度第1四半期(決算後の値動きは2026年8月27日まで)
  • 対象エヌビディアの売上高と株価
  • 最終更新2026/10/10

一言結論

エヌビディアは会社予想を毎回上回ってきたが上振れ幅は縮み、決算翌日は下がることが多かった。比較する期間をそろえないと、結論の向きが逆になる点にも注意が必要。

エヌビディアは、売上高で15四半期連続、アナリストの予想を上回ってきました。それなのに、2026年8月の決算を迎える前の直近4回は、決算の翌日にすべて株価が下がっています。予想は超えるのに、株価は下がる。この決算で何を見ればよいのかを、公式の決算リリースと株価のデータで検証しました。

この記事の結論

  1. 直近4回の決算翌日は4回とも下落直近4回の決算翌日は4回とも下落し、平均は−2.79%でした。直近8回まで広げても、翌日に上昇したのは8回中2回だけです。
  2. 上振れ率は12四半期すべてプラスだが縮小会社自身の売上高予想(ガイダンス)に対する実績の上振れ率は、12四半期すべてでプラスでした。ただし上振れ率は、最大の+22.79%から、直近4四半期の平均+4.72%まで縮んでいます。
  3. 事前に売られた回ほど翌日は強い方向(関係は弱い)決算前7営業日の値動きと翌日の値動きを比べると、直近8回では「事前に売られていた回ほど翌日は強い」方向が出ました。ただし関係は弱く(R²=0.223)、サンプルは8回だけです。
  4. 期間をそろえないと結論が逆になる比較する期間をそろえないと、この関係の向きは逆になりました。同じデータでも、条件をそろえなければ結論を間違えます。
検証条件・計算方法を見る

2026年8月の決算前の下落(−7.47%)は、決算発表日の2営業日前にあたる8月24日の終値までの数字でした。そこで過去8回についても、終点をすべて「決算発表日の2営業日前の終値」にそろえています。

※事前7営業日は、決算発表日の2営業日前の終値を終点とした騰落率です。2024年6月の株式分割後の期間のみを対象にしています。

基本結果

予想を上回っても、決算翌日は下がることが多かった

決算(直近4回)決算翌営業日の株価
2026年度第2四半期−0.79%
2026年度第3四半期−3.15%
2026年度第4四半期−5.46%
2027年度第1四半期−1.77%

4回とも下落し、平均は−2.79%でした。範囲を直近8回まで広げても、翌日がプラスだったのは8回中2回だけです。15四半期連続で予想を上回っている会社の株が、決算の翌日は4回に3回下げていました。単に予想を上回るだけでは、市場を驚かせにくくなっていたということです。

※「15四半期連続」は売上高をアナリスト予想と比べた回数です。以下の「12四半期」は、同じ売上高を会社自身の予想と比べたデータで、比べる相手が違います。

基本結果

会社予想に対する上振れ率(12四半期)

2024年度第2四半期から2027年度第1四半期までの12四半期について、会社が事前に示した売上高予想の中央値と、実際の売上高を、公式の決算リリースから1つずつ拾って上振れ率を計算しました。

表は横にスクロールできます

四半期会社予想の中央値実績の売上高上振れ額上振れ率
2024年度第2四半期11,00013,5072,507+22.79%(最大)
2024年度第3四半期16,00018,1202,120+13.25%
2024年度第4四半期20,00022,1032,103+10.51%
2025年度第1四半期24,00026,0442,044+8.52%
2025年度第2四半期28,00030,0402,040+7.29%
2025年度第3四半期32,50035,0822,582+7.94%
2025年度第4四半期37,50039,3311,831+4.88%
2026年度第1四半期43,00044,0621,062+2.47%(最小)
2026年度第2四半期45,00046,7431,743+3.87%
2026年度第3四半期54,00057,0063,006+5.57%
2026年度第4四半期65,00068,1273,127+4.81%
2027年度第1四半期78,00081,6153,615+4.63%

※単位:百万ドル。会社予想の中央値は各前四半期の決算リリースの見通し(Outlook)、実績は各四半期の決算リリースの売上高です。

12四半期の上振れ率値
平均+8.05%
中央値+6.43%
最小+2.47%
直近4四半期の平均+4.72%

2026年8月の決算で、会社の売上高予想は910億ドル(±2%)でした。直近4四半期の平均上振れ率(+4.72%)を当てはめると約953億ドル、12四半期で最小の上振れ(+2.47%)でも約932億ドルになります。当時ニュースが焦点としていたアナリスト予想の約920億ドル(調査会社により918億〜924億ドル)は、会社予想のレンジの上限(約928億ドル)の内側にあり、判定の物差しとしては低い数字でした。

※約953億ドルは、市場のコンセンサスではなく、直近4四半期と同じくらい上振れた場合の目安です。12四半期全体の平均(+8.05%)から出した数字ではありません。

この検証の核心

決算前に売られていた方が、翌日は強いのか

「決算前に大きく売られていれば、悪材料は織り込まれていて、決算後は反発しやすい」という見方があります。直近8回の決算で、決算前7営業日の値動きと、決算翌営業日の値動きを比べました。

比較する期間をそろえる

2026年8月の決算前の下落(−7.47%)は、決算発表日の2営業日前にあたる8月24日の終値までの数字でした。そこで過去8回についても、終点をすべて「決算発表日の2営業日前の終値」にそろえています。

表は横にスクロールできます

決算発表日事前7営業日最長連続下落翌営業日
2027年度第1四半期2026年5月20日+5.12%2日−1.77%
2025年度第2四半期2024年8月28日+2.93%1日−6.38%
2026年度第4四半期2026年2月25日+0.79%2日−5.46%
2025年度第4四半期2025年2月26日−0.66%2日−8.48%
2026年度第3四半期2025年11月19日−0.79%1日−3.15%
2026年度第2四半期2025年8月27日−1.21%3日−0.79%
2026年度第1四半期2025年5月28日−2.99%2日+3.25%
2025年度第3四半期2024年11月20日−5.86%2日+0.53%

※事前7営業日は、決算発表日の2営業日前の終値を終点とした騰落率です。2024年6月の株式分割後の期間のみを対象にしています。

決算前に上昇していた3回は、翌日に3回とも下落しました。一方、決算前に最も売られていた2回(−2.99%と−5.86%)は、どちらも翌日に上昇しています。8回の中で翌日に上昇したのは、この2回だけです。直近8回だけを見ると、「決算前に売られていた方が、決算翌日は強い」という方向が出ています。

ただし、関係は弱い

この関係の強さを示すR²は0.223(相関係数は−0.472)で、サンプルは8回しかありません。8回では統計的に有意とは言えず、これだけで翌日の騰落を予測できるほど強い関係ではありません。「決算前に下げているから買い」という売買シグナルにできるほど、データは強くありませんでした。

条件をそろえないと、結論が逆になる

最初に、今回だけを決算2営業日前まで、過去8回を決算発表日の終値までで計算したときは、まったく逆の結果が出ました。「決算前に売られた回ほど、決算後も下がりやすい」という向きです。比べる期間をそろえると、結果の向きそのものが逆転しました。同じ8回の決算、同じ株価データでも、比較の条件をそろえなければ結論を間違えます。

2026年8月は、過去8回の外側にいた

2026年8月の決算前7営業日は−7.47%で、過去8回で最も大きかった下落(−5.86%)を上回っていました。しかも7営業日連続の下落で、過去8回では最長でも3営業日連続でした。過去8回のどのケースよりも売られた状態で、決算を迎えたことになります。

追加検証

その後(2026年8月26日の決算)

売上高は962億ドルで、会社予想910億ドルに対する上振れは約5.7%でした。直近4四半期の平均から出した目安の約953億ドルを上回っています。決算翌日の8月27日、株価は+8.74%(209.66ドル→227.98ドル)上昇し、決算翌日の下落は4回連続で止まりました。

決算前に過去8回より大きく売られていた回で、翌日は大きく上昇したことになります。ただし、これを加えても9回で、関係が強いとは言えない点は変わりません。なお、その翌日の8月28日には4.57%下落し、217.55ドルでした。

まとめ

エヌビディアは会社予想を毎回上回ってきましたが、上振れ率は小さくなってきていました。そして、予想を上回っても決算翌日に株価が下がることが多く、単なる「予想超え」では市場を驚かせにくい局面になっていました。

決算前の値動きと翌日の値動きには、直近8回で「事前に売られていた方が翌日は強い」という方向が見られましたが、関係は弱く、サンプルも8回だけです。そして、比較する期間をそろえるかどうかで、結論の向きそのものが変わりました。決算を検証するときは、見出しの「予想超え」ではなく、会社予想に対してどれだけ上振れたかと、比較条件のそろえ方を確かめる必要があります。

この検証の限界

この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。

  • 決算前後の値動きの比較は8回だけで、統計的に有意な関係ではありません(R²=0.223)。
  • 1つの銘柄の結果であり、ほかの銘柄や将来の決算に当てはまるとは限りません。
  • 連続で予想を上回った回数は、アナリスト予想の提供元によって1〜2回ずれることがあります。
  • 株価の比較は、2024年6月の株式分割後の期間に限っています。
  • 本記事は過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。また、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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最終更新:2026/10/10 | データの時点:検証は2026年8月24日まで。「その後」の囲みは8月26日の決算