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最高値を更新する指数チャートの下に、下向きの印が数多く並ぶイメージ

割高・割安と天井

ナスダックが最高値なのに「52週安値」の銘柄が多いとき、その後どうなった?2005年以降のデータで検証

  • 検証期間2005年〜2026年10月5日
  • 対象ナスダック総合指数、ナスダック市場の52週高値・安値の銘柄数、ナスダック100と均等加重指数
  • 公開日2026/10/08

一言結論

最高値の日に52週安値の銘柄が多いと、その後1か月は下げやすく、上昇も小さめだった。ただし暴落のサインとまでは言えない。

2026年10月5日、ナスダック総合指数は史上最高値を更新しました。ところが同じ日、ナスダック市場で52週高値(この1年で最も高い株価)を付けた銘柄は49銘柄だったのに対し、52週安値(この1年で最も安い株価)を付けた銘柄は215銘柄と、4.4倍ありました。指数は最高値なのに、安値を付ける銘柄のほうがずっと多い。こうした日のあと、株価はどうなってきたのでしょうか。2005年以降のデータで検証しました。

この記事の結論

  1. 最高値356日中、安値が多い日は38日2005年以降、ナスダック総合指数が最高値を更新した356日のうち、52週安値の銘柄数が高値の銘柄数より多かった日は38日、4倍以上だった日は5日だけでした。指数が最高値の日は、高値を付ける銘柄のほうが多いのが普通です。
  2. 1か月後は14回中5回上昇・平均−1.32%安値の銘柄数が多かった最高値(15局面)は、21営業日後(約1か月後)に上昇していたのが14回中5回、平均−1.32%でした。安値の銘柄数が多くはなかった最高値(48局面)の48回中32回、平均+0.65%を下回りました。ただし14回の結果なので、偶然による差の可能性も残ります。
  3. 1年後の上昇割合はほぼ同じ1年後になると、上昇した割合は12回中9回と45回中33回で、ほぼ同じでした。安値の銘柄数が多い最高値は暴落のサインではなく、「その後の1か月は下げやすく、上昇の幅も小さかった」というのがデータの示す内容です。
  4. 4倍超の過去2局面は1年後が正反対4倍を超えた過去の2局面は、1年後が−30.31%(2021年11月)と+14.37%(2024年6月)で正反対でした。その後の米10年債利回りは、前者で上昇、後者で低下していました。
検証条件・計算方法を見る

検証の方法

項目内容
最高値ナスダック総合指数の終値が、それまでのすべての終値を上回った日(2005年以降、2026年10月5日まで356日。2005〜2015年4月22日は2000年の高値を下回っていたため該当なし)
安値の銘柄数が多いその日、ナスダック市場で52週安値を付けた銘柄数が、52週高値を付けた銘柄数より多い
局面の数え方同じ局面を何度も数えないよう、前に数えた日から21営業日以内の同じグループの最高値は、同じ局面とみなした
その後21・63・126・252営業日後(約1か月・3か月・半年・1年後)のナスダック総合指数の騰落率
基本結果

最高値の日に、安値の銘柄のほうが多いのは珍しい

ナスダック総合指数が最高値を更新した日(2005年以降)日数
すべて356日
52週安値の銘柄数が、52週高値の銘柄数より多かった日38日
52週安値の銘柄数が、52週高値の銘柄数の4倍以上だった日5日

4倍以上だった5日は、2021年11月18日、2024年6月10日・14日・7月2日、そして2026年10月5日です。2024年の3日は同じ局面なので、局面としては今回を含めて3つしかありません。

安値の銘柄数が多い日そのものは珍しくありません。ナスダック総合指数が2000年の高値を上回った2015年4月23日以降の2,883日のうち、1,380日で安値の銘柄数のほうが多くなっていました。ただし、指数が最高値から5%以内にあった1,715日に限ると521日で、およそ10日に3日の割合です。今回は、指数が最高値から5%以内にあった8月14日から10月5日までの36営業日のうち、32日で安値の銘柄数のほうが多い状態が続いていました。

基本結果

その後、どうなったか

表は横にスクロールできます

その後の期間安値の銘柄数が多かった最高値安値の銘柄数が多くはなかった最高値
21営業日後(約1か月)14回中5回上昇/平均−1.32%48回中32回上昇/平均+0.65%
63営業日後(約3か月)14回中8回上昇/平均+0.09%48回中33回上昇/平均+2.01%
126営業日後(約半年)13回中8回上昇/平均+0.74%46回中35回上昇/平均+6.66%
252営業日後(約1年)12回中9回上昇/平均+8.44%45回中33回上昇/平均+14.02%

※局面は、安値の銘柄数が多かった最高値が15回、多くはなかった最高値が48回。期間が長いほど回数が少ないのは、最近の局面ではまだその期間がたっていないためです。

安値の銘柄数が多かった最高値のあとは、次の1か月で上昇したのが3回に1回ほどで、平均はマイナスでした。1年後には、上昇した割合は2つのグループでほぼ同じになりますが、平均の騰落率の差は残っていました。最高値の日に安値の銘柄数が多いことは暴落のサインとは言えませんが、その後の上昇の勢いは弱めでした。

なお、1か月後の上昇回数の差(14回中5回と48回中32回)は目立ちますが、回数が少ないため、統計的には「偶然とは言い切れない」境目の大きさです。3か月後以降の上昇回数の差は、偶然でも起こりうる範囲でした。また、3か月後以降は、近い時期の局面どうしで期間が重なっているため、それぞれを独立した結果として数えるには注意が必要です。

今回、安値の銘柄数が多い最高値が最初に出たのは2026年9月21日で、そこから10月5日までの10営業日で、ナスダック総合指数は1.31%上昇しています。

この検証の核心

4倍を超えた過去の2局面:結果は正反対

表は横にスクロールできます

2021年11月18日2024年6月10日
52週高値/安値の銘柄数78銘柄/317銘柄(4.06倍)39銘柄/160銘柄(4.10倍。6月14日には7.67倍)
1年後のナスダック総合指数−30.31%+14.37%
途中の下落63営業日以内に最大−16.51%。2022年12月28日には最高値から−36.40%7月10日〜8月7日に−13.15%、2024年12月16日〜2025年4月8日に−24.32%
最高値の回復2024年2月29日(570営業日後)2024年10月29日、2025年6月27日に更新
均等加重指数2営業日前の11月16日に最高値(11月18日は−0.45%)。次の最高値は2024年2月7日最高値から−1.67%。7月2日に最高値を更新
米10年債利回り(63営業日後)1.59%→1.92%(上昇)4.47%→3.65%(低下)
米10年債利回り(252営業日後)1.59%→3.82%(上昇)4.47%→4.36%(低下)

2024年6月の局面でも、途中で13%と24%の下落がありました。2つの局面の違いは、下落があったかどうかではなく、下落の後にすぐ最高値を取り戻せたかどうかでした。

上昇の偏りの点では、2つの局面はきれいに分かれませんでした。2024年は均等加重指数も7月2日に最高値を更新しましたが、その間もナスダック100の上昇(+4.91%)が均等加重指数(+1.70%)を上回り、その後に13%の下落が始まっています。一方、その後の金利の向きは、最高値を取り戻せなかった2021年が上昇、取り戻せた2024年が低下で、63営業日後でも252営業日後でも同じでした。ただし、比べているのは2つの局面だけです。

追加検証 1

上昇は一部の大型株に偏っていた

指数が最高値なのに安値の銘柄が多い理由の1つは、上昇の偏りです。ナスダック総合指数もナスダック100も、時価総額の大きい会社ほど影響が大きい指数です。これに対して、ナスダック100の100銘柄を同じ比率で持つ「均等加重指数」があります。

表は横にスクロールできます

2026年10月5日時点ナスダック100ナスダック100均等加重指数
最高値の更新更新(31,076.44)未更新(最高値は8月13日の10,542.80、そこから−1.91%)
8月13日→10月5日+3.30%−1.91%
直近21営業日+5.41%+1.18%

時価総額の大きい上位100銘柄の中でさえ、上昇は一部の銘柄に偏っていました。

追加検証 2

2026年10月5日の位置

項目2026年10月5日
52週安値/高値の銘柄数4.39倍(215銘柄/49銘柄)
ナスダック100均等加重指数最高値(8月13日)から−1.91%
米10年債利回り5.31%(2021年11月の1.59%、2024年6月の4.47%より高い)

今回が2021年に近いのか、2024年に近いのかは、10月5日時点のデータではまだ決まっていません。均等加重指数が8月13日の最高値を超えられるか、安値の銘柄数が高値の銘柄数を上回る状態が解消されるか、そして米10年債利回りがここから上がるか下がるかが、今後の手がかりになります。

その後(2026年11月の更新)

10月5日から21営業日後のナスダック総合指数の結果と、安値・高値の銘柄数の推移を、11月初めにここへ追記します。

まとめ

ナスダック総合指数が最高値なのに、52週安値の銘柄数が高値の銘柄数を上回る日は、2005年以降の最高値356日のうち38日しかありませんでした。そうした最高値のあとは、次の1か月は下げやすく、半年後までの上昇の幅も小さめでした。ただし1年後に上昇していた割合はほかの最高値と変わらず、暴落のサインとまでは言えません。今回と同じ4倍超の過去2局面は、1年後の結果が正反対でした。

この検証の限界

この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。

  • 安値の銘柄数が多かった最高値は15局面しかなく、1年後の結果が出ているのは12回です。
  • 4倍を超えた局面は過去に2つだけで、2つの違いから一般的な法則を導くことはできません。
  • 52週高値・安値の銘柄数は、ナスダック市場に上場する銘柄全体(小型株を多く含む)を数えたもので、データの提供元によって数え方がわずかに違う場合があります。
  • 局面は21営業日以上離して数えていますが、3か月後以降の期間は局面どうしで重なることがあります。
  • 配当を含まない株価指数で計算しています。
  • 本記事は過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。また、特定の商品の売買を推奨するものではありません。

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公開日:2026/10/08 | データの時点:ナスダック総合指数とナスダック100はFRED、52週高値・安値の銘柄数(ナスダック市場)とナスダック100均等加重指数はTradingView。いずれも2026年10月5日まで