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山の頂上のような形をした株価チャートと、頂点の印のイメージ

割高・割安と天井

天井の前に株価はどれだけ上がっていた?S&P500とナスダック100の過去の天井で検証

  • 検証期間S&P500は1950年〜、ナスダック100は1985年〜(月末の終値、今の位置は2026年5月末)
  • 公開日2026/10/06

一言結論

2026年5月末のS&P500は、過去の天井の前の中央値を上回る上昇だった。ただし天井の前の上昇の大きさは毎回違い、上昇率で天井の時期は当てられない。

相場が割高だと分かっていても、いつ下がるかまでは分かりません。「割高だから降りる」という判断が、早すぎたことも何度もあります。では、過去の天井の前に、株価はどれだけ上がっていたのでしょうか。そして2026年5月時点の米国株の上昇は、その中でどの位置にあったのでしょうか。S&P500とナスダック100の月末の終値で検証しました。

この記事の結論

  1. 天井の前の上昇は中央値で2年約35%・3年約44%S&P500の過去9回の天井の前の上昇率は、2年前から中央値で約35%、3年前から中央値で約44%でした。最大は1987年の天井で、2年前から+75%、3年前から+98%です。
  2. 2026年5月末は中央値を上回る2026年5月末のS&P500は、2年前から+43.6%、3年前から+81.3%で、過去の天井の前の中央値をどちらも上回っていました。3年で+81.3%以上の上昇は、1950年以降の全期間で見ても、881回中51回しかありません。
  3. 全期間の分布でも上位の上昇ナスダック100は、2000年の天井の前に3年で5倍以上(+452%)になった例がある一方、2026年5月末の上昇(3年で+112.8%)も、1985年以降の全期間の上位1割強に入る水準でした。
  4. 上昇率は現在地を示すが天井の時期は示さないただし、天井の前の上昇の大きさは毎回大きく違い、上昇率だけで天井の時期を当てることはできません。分かるのは、上昇がどこまで進んでいるかという現在地です。
検証条件・計算方法を見る
項目内容
天井の定義月末の終値で、それまでの最高値を付け、その後、その水準を回復する前に20%以上下落した月(20%以上の下落は一般に弱気相場入りと呼ばれる水準)
天井の前の上昇率天井の月末の終値が、2年前(24か月前)・3年前(36か月前)の月末の終値から何%上がっていたか
データS&P500は1950年以降、ナスダック100は1985年以降の月末の終値(配当を含まない)

※天井は、都合のよい高値を選ぶのではなく、このルールで機械的に抜き出しています。ただし、20%以上の下落が起きて初めて天井と分かるため、天井はその時点ではわかりません。

基本結果

S&P500:過去9回の天井の前の上昇

表は横にスクロールできます

天井(月末の終値)2年前からの上昇率3年前からの上昇率
1961年12月+19%+30%
1968年11月+35%+18%
1972年12月+28%+28%
1980年11月+48%+48%
1987年8月+75%+98%
2000年8月+59%+69%
2007年10月+28%+37%
2019年12月+21%+44%
2021年12月+48%+90%
中央値約+35%約+44%

※2019年12月の天井は、2020年3月の月末に−20.0%と、ちょうど20%の下落でした。

天井の手前で、相場は弱かったわけではありません。多くの場合、天井の前の2〜3年で株価は大きく上がっていました。株価が上がり、ニュースも前向きで、投資家の心理も強気になる。だからこそ、降りる判断が難しくなります。

一方で、天井の前の上昇の大きさは毎回大きく違います。2007年のように3年で+37%と比較的穏やかだったこともあれば、1987年のように3年で2倍近くになってから天井を付けたこともあります。「天井の前には必ずこれだけ上がる」という決まった数字はありません。

基本結果

ナスダック100:2000年は3年で5倍以上

表は横にスクロールできます

天井(月末の終値)2年前からの上昇率3年前からの上昇率
1990年6月+26%+26%
2000年3月+260%+452%
2021年12月+87%+158%

※1987年8月の天井は、データの開始(1985年10月)から2年たっていないため除いています。2007年10月の高値(2,238.98)は、その後2009年2月までに約50%下落しましたが、2000年の最高値(4,397.84)を下回っていたため、この定義では天井に入りません。

2000年のドットコムバブルでは、ナスダック100は天井の前の3年で5倍以上になりました。割高だと思って早く降りた人は、この最後の大上昇を取れなかった可能性があります。ただし、その後には非常に大きな下落が待っていました。

この検証の核心

2026年5月末の位置

表は横にスクロールできます

2年前からの上昇率3年前からの上昇率過去の天井の前の中央値
S&P500+43.6%+81.3%2年:約35%、3年:約44%
ナスダック100+63.6%+112.8%(天井が3回のため中央値は出していない)

2026年5月末のS&P500は、2年前比でも3年前比でも、過去の天井の前の中央値をすでに上回っていました。これは「今すぐ天井」という意味ではありません。もう普通の上昇ではなく、歴史的に見てもかなり進んだ上昇になっている、という意味です。

天井の前だけでなく、全期間と比べると

天井の前の上昇とだけ比べると、天井ではなかった時期に同じくらい上がったケースが見えません。そこで、すべての月を起点にした上昇率の分布とも比べました。

表は横にスクロールできます

2026年5月末と同じかそれ以上の上昇S&P500(1950年以降)ナスダック100(1985年以降)
2年前から893回中127回(+43.6%以上)464回中98回(+63.6%以上)
3年前から881回中51回(+81.3%以上)452回中59回(+112.8%以上)

S&P500の3年で+81.3%以上という上昇は、1950年以降の全期間で見ても、881回中51回しかありませんでした。上昇がかなり進んだ位置にあることは、天井の前の中央値と比べても、全期間の分布と比べても、同じでした。

追加検証

割高は「高さ」を教えても、「降りる時期」は教えない

割高だという指標や、大きな上昇率は、相場の高さを教えてくれます。しかし、天井の時期までは教えてくれません。上昇トレンドの途中で、割高という理由だけで全部降りると、結果的に早すぎる判断になることがあります。一方で、「上がっているからまだ大丈夫」と考えるのも危険です。過去の天井も、天井を付けるまでは強く見えていたからです。

堀江は、この結果から「上昇相場には乗る。ただし、欲張りすぎない」と考えています。そのうえで見るべきポイントとして、次の3つを挙げています。

  • 月足のトレンド:月足で上昇トレンドが維持されているか
  • 上昇の質:指数全体が上がっているのか、一部の大型株だけが指数を押し上げているのか
  • 自分のポジションの量:大きく上がった後で、ポジションをさらに大きくしていないか

その後(2026年9月時点)

2026年9月時点で、S&P500とナスダック100はどちらも2026年5月末の水準を上回っており、20%以上の下落は起きていません。この記事の定義での新しい天井は、まだ確認されていません。

まとめ

S&P500の過去の天井の前には、2年で中央値約35%、3年で中央値約44%の上昇がありました。2026年5月末のS&P500は、そのどちらも上回り、3年で+81.3%以上という上昇は1950年以降でも881回中51回しかありません。上昇率は、相場が今どこまで進んでいるかという現在地を教えてくれますが、天井の時期を当てる道具ではありません。

この検証の限界

この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。

  • S&P500の天井は9回、ナスダック100は3回だけです。
  • 全期間の分布は、毎月ずらした期間が大きく重なっており、互いに独立した回数ではありません。
  • 「20%以上の下落」という天井の定義を変えると、選ばれる天井と結果は変わります。
  • 配当を含まない月末の終値で計算しています。
  • 本記事は過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。また、特定の商品の売買を推奨するものではありません。

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公開日:2026/10/06 | データの時点:月末の終値。「今の位置」は2026年5月末