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アノマリー(季節性)

9月は株が下がる月?日経平均とS&P500の76年分で検証すると、理由は「下げ幅」ではなかった

  • 検証期間1950〜2025年
  • 対象日経平均・S&P500
  • 最終更新2026/10/10

一言結論

9月は両指数とも平均騰落率・勝率が12か月中最下位。ただし、弱さの中心は「下げる時の下げ幅」ではなく「上昇する年の少なさ」だった。

「9月は株が下がる月」とよく言われます。本当にそうなのか。そして、もし9月が弱いのなら、それは下げ幅が大きいからなのか、それとも別の理由があるのか。日経平均とS&P500の1950年から2025年まで、それぞれ76回の9月を集計しました。

この記事の結論

  1. 9月は最弱9月は確かに最弱の月でした。日経平均もS&P500も、9月の平均騰落率と勝率は12か月中の最下位です。
  2. 理由は下げ幅ではないただし、9月は下落した時の値幅が突出して大きい月ではありません。9月が弱いのは、上昇する年が少ないことが最も大きく効いていました。
  3. S&P500は後半が弱い9月を前半と後半に分けると、S&P500は平均・中央値・勝率の3つとも後半で落ちていました。日経平均は、後半に偏っているとまでは言えませんでした。
  4. 将来確率ではないこれは過去76回に何が起きたかという記録であり、ある年の9月が何%の確率で下がるという話ではありません。
検証条件・計算方法を見る
項目内容
対象日経平均、S&P500(配当を含まない価格指数)
期間1950〜2025年、それぞれ76回の9月
騰落率前月末の終値から、その月の月末の終値までの変化率
勝率その月に上昇した年の割合

※S&P500は1957年3月4日に算出が始まり、それ以前は遡って計算された系列です。日経平均は1950年9月7日に算出が始まり、1950年1〜8月は遡って計算された値です。

基本結果

9月は日経平均もS&P500も最下位だった

表は横にスクロールできます

9月(76回)平均騰落率中央値勝率
日経平均−0.32%−0.05%48.68%(37勝39敗)
S&P500−0.63%−0.30%44.74%(34勝41敗1分)

※S&P500の「1分」は1979年で、8月末と9月末の終値がともに109.32でした。

日経平均の9月は、平均騰落率も勝率も12か月の中で12位、最下位です。平均と中央値の両方がマイナスになる月は、1年で9月だけでした。最も強いのは1月で、平均+2.17%、勝率68.42%です。

S&P500の9月も、平均・勝率ともに12か月中の最下位でした。平均がマイナスになる月は9月と2月の2つありますが、中央値までマイナスになるのは9月だけです。最も強いのは、平均では11月の+1.86%、勝率では12月の72.37%でした。

ここまでは通説どおりです。問題は、その中身です。

この検証の核心

9月の弱さを3つの角度から分解する

1. 下落した年の平均:9月は突出していない

表は横にスクロールできます

9月に下落した年の平均12か月中の順位(下げ幅の大きい順)
日経平均−4.31%6番目(最大は8月の−4.93%、次いで3月−4.81%、10月−4.60%)
S&P500(41年)−3.80%2番目(1番の8月は−3.81%で、ほぼ同じ水準)

9月は、下げる時の下げ幅が突出して大きい月ではありませんでした。

2. 最悪の月と、大きく下げた回数

ひと月単位の最悪は、両指数とも10月でした。日経平均は2008年10月の−23.83%、S&P500は1987年10月の−21.76%です。9月に限った最悪は、日経平均が1990年9月の−19.23%、S&P500が1974年9月の−11.93%でした。

ただし、これで「9月は大きな下げが少ない月」とは言えません。S&P500で、下落幅ごとに9月の回数を数えると次のようになります。

S&P500の9月の下落幅回数(1950〜2025年)
3%以上20回(12か月中で最多)
5%以上12回(最多)
8%以上6回(最多)
10%以上2回(3月・10月と並んで最多)

どの水準で区切っても、S&P500では9月が最も多くなりました。これは勝率の話と矛盾しません。下落する年が多ければ、大きく下げる回数もそのぶん多くなるからです。なお日経平均では、3%以上・4%以上の下げでは9月が最多ですが、5%以上では順位が下がります。

3. 上昇した年の平均:伸びも特別ではない

上昇した年の9月の平均は、日経平均が+3.89%で12か月中10位、S&P500が+3.18%で6位でした。上がった時の伸びも、特別大きくはありません。

まとめると:弱さの大半は「勝率の低さ」

表は横にスクロールできます

9月の勝率9月以外の月の勝率9月と9月以外の平均の差
日経平均48.7%58.5%1.25ポイント
S&P50044.7%62.1%1.50ポイント

9月と9月以外の月の平均騰落率の差を、勝率の差による部分と、上昇・下落した時の値幅の差による部分に分けると、日経平均ではおよそ3分の2、S&P500ではおよそ4分の3が、勝率の低さから来ていました。9月が最弱なのは、下落した時の値幅が突出しているからではなく、上昇する年が少ないからでした。

追加検証 1

弱さは9月のどこに出るのか:前半と後半

日次のデータで、9月を前半と後半に分けました。前半は8月の最終営業日の終値から、9月15日以前の最終営業日の終値まで。後半は、そこから9月の最終営業日の終値までです。9月15日が休場だった年は、その直前の営業日を使っています。

表は横にスクロールできます

期間平均中央値勝率
S&P500前半+0.15%+0.08%51.3%
S&P500後半−0.79%−0.42%44.7%
日経平均前半+0.19%+0.24%53.9%
日経平均後半−0.53%−0.08%50.0%

S&P500は、平均・中央値・勝率の3つとも後半で落ちています。日経平均も平均では後半が弱いものの、勝率は50.0%、中央値も−0.08%で、ほぼ中立です。9月後半の弱さは、日本株よりも米国株ではっきり出る傾向でした。

※2026年は、前半と後半の境目にFOMC(9月15〜16日、結果の発表は16日)があり、続けて日銀の金融政策決定会合(9月17〜18日)が開かれました。

追加検証 2

金利が1年前より高い年の9月は弱かったか

8月のFF実効レートが1年前より0.25ポイント以上高い年を「金利が高い年」として抜き出すと、1955年から2025年までの71回のうち32回が該当しました。

表は横にスクロールできます

9月の成績平均中央値勝率
S&P500:金利が高い年(32回)−1.14%−0.50%37.5%
S&P500:それ以外(39回)−0.59%−0.49%48.7%
日経平均:金利が高い年(32回)−0.33%−0.08%43.8%
日経平均:それ以外(39回)−0.69%−0.10%48.7%

S&P500は、金利が1年前より高い年の9月の方が、平均・勝率とも弱くなっていました。一方、日経平均は平均では金利が高い年の方が良く、勝率では悪く、方向が一致しません。日本株については、この分け方で一貫した差は読み取れませんでした。

※この分類は「その年にFRBが利上げしていた」ことを意味しません。該当32回のうち6回(1956、1974、1981、1989、1995、2000年)は、7月から8月にかけてFF実効レートが下がっています。有意差の検定は行っていません。

なお2026年は、FF実効レートが2026年7月で3.63%、1年前の2025年7月は4.33%で、この1年で0.70ポイント下がっており、この分類には当てはまりません。

まとめ

日経平均とS&P500の76回の9月を集計すると、9月は確かに平均・勝率ともに12か月中の最下位でした。ただし、下落した年の平均や上昇した年の平均は突出しておらず、9月の弱さの大半は、上昇する年が少ないことから来ていました。

そしてその弱さは、S&P500では特に9月の後半に表れやすく、日経平均では前半と後半の差ははっきりしませんでした。これは下げやすさの話であって、9月に暴落が起きやすいという話ではありません。

この検証の限界

この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。

  • 各年の9月は独立した試行ではありません。相場の局面は数年単位で続くため、勝率をそのまま将来の確率として扱うことはできません。
  • 過去76回の記録であり、ある年の9月が何%の確率で下がるかを示すものではありません。
  • 配当を含まない価格指数で計算しています。S&P500の1957年3月以前、日経平均の1950年1〜8月は、遡って計算された値です。
  • 金利の水準による分類は、有意差の検定を行っていない記述統計です。
  • 本記事は過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。また、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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最終更新:2026/10/10 | データの時点:1950〜2025年の76回の9月(2026年9月は含まない)