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50%下落した株価が、元の高値に戻るまで100%上昇するチャートのイメージ

暴落・急落とバブル

50%下がった株は50%上がっても戻らない。暴落の後、高値を取り戻すまで何年かかったか

  • 検証期間1950〜2025年(S&P500は参考で1929年も)
  • 対象S&P500、日経平均の日次の終値
  • 公開日2026/10/08

一言結論

下げが深いほど、元に戻るのに必要な上昇率は加速度的に大きくなり、実際の回復にも時間がかかる傾向があった。

100円の株が50%下がると50円になります。その50円から50%上がっても、75円にしかなりません。下がるときの50%は100円に対する50%、上がるときの50%は50円に対する50%だからです。では、実際の相場で大きく下げたとき、高値を取り戻すまでにどれくらいかかったのでしょうか。S&P500と日経平均が高値から20%以上下げた局面を、すべて調べました。

この記事の結論

  1. 必要な上昇率は加速度的に増える下落率が深くなるほど、元に戻るのに必要な上昇率は加速度的に大きくなります。20%の下落なら25%、50%なら100%、80%なら400%の上昇が必要です。
  2. S&P500の35%未満の下落は2年2か月以内に回復、45%以上は5年半以上1950〜2025年に、S&P500が高値から20%以上下げた局面は11回ありました。下げが35%未満だった7回は、高値から2年2か月以内に高値を取り戻していましたが、45%以上下げた3回は、取り戻すまでに5年6か月〜7年6か月かかっていました。
  3. 11回中8回は戻る方が時間がかかった11回のうち8回は、底から高値を取り戻すまでの期間の方が、高値から底までの期間より長くなっていました。リーマンショックでは、底まで1年5か月、底から回復まで4年1か月かかっています。
  4. 日経平均は34年2か月日経平均は、1989年末の高値から81.9%下げ、高値を取り戻すまでに34年2か月かかりました。
検証条件・計算方法を見る

算数:下落率と、元に戻るために必要な上昇率

下落率元に戻るために必要な上昇率
−10%+11.1%
−20%+25.0%
−30%+42.9%
−50%+100%
−70%+233%
−80%+400%

10%の下落なら、戻るのに必要な上昇は11.1%で、下がった分より少し多く上がれば戻ります。しかし50%下がると100%、つまり2倍にならないと戻りません。10%の下落と50%の下落は下落率では5倍の差ですが、戻るのに必要な上昇率では約9倍の差になります。

検証の方法

項目内容
局面の定義終値で史上最高値を付けた日から、その高値を終値で再び上回るまでを1つの局面とし、その間の最も安い終値までの下落率が20%以上だったものを数えた
データS&P500(Yahoo Finance)、日経平均(FRED)の日次の終値。1950〜2025年に高値を付けた局面
期間の数え方高値から底まで、底から高値の回復までの月数(暦日から換算)

※配当を含まない株価指数で計算しています。配当を再投資した場合は、回復はより早くなります。

基本結果

S&P500:高値から20%以上下げた11回

表は横にスクロールできます

高値の日下落率高値→底底→高値の回復合計
1956年8月−21.5%1年3か月11か月2年2か月
1961年12月−28.0%6か月1年2か月1年9か月
1966年2月−22.2%8か月7か月1年3か月
1968年11月−36.1%1年6か月1年9か月3年3か月
1973年1月−48.2%1年9か月5年10か月7年6か月
1980年11月−27.1%1年8か月3か月1年11か月
1987年8月−33.5%3か月1年8か月1年11か月
2000年3月−49.1%2年7か月4年8か月7年2か月
2007年10月−56.8%1年5か月4年1か月5年6か月
2020年2月−33.9%1か月5か月6か月
2022年1月−25.4%9か月1年3か月2年1か月

※期間は暦日から月数に換算し、1か月未満を四捨五入。

2007年10月の局面は、10月9日の終値1,565.15から、2009年3月9日の676.53まで56.8%下げました。この安値から元の高値に戻るには、約131%の上昇が必要でした。終値で高値を更新したのは2013年3月28日(1,569.19)で、高値から約5年6か月後です。

この検証の核心

下げが深いほど、回復に時間がかかった

表は横にスクロールできます

下落率回数高値から回復までの期間
20〜35%未満7回6か月〜2年2か月
35〜45%未満1回3年3か月(1968年)
45%以上3回5年6か月〜7年6か月

下落が35%未満だった7回は、いずれも高値から2年2か月以内に高値を取り戻していました。一方、45%以上下げた3回(1973年、2000年、2007年)は、5年半から7年半かかっています。深く下げるほど、戻るのに必要な上昇率が大きくなるので、回復に時間がかかる傾向がありました。ただし、同じ30%台の下落でも、2020年は6か月、1968年(−36.1%)は3年3か月と差があり、深さだけで回復の早さが決まるわけではありません。

この検証の核心

下げるより、戻る方が時間がかかった

11回のうち8回は、底から高値を取り戻すまでの期間の方が、高値から底までの期間より長くなっていました。1973年の局面は底まで1年9か月でしたが、底から回復までは5年10か月かかっています。下落と回復にかかる時間は、対称ではありませんでした。

追加検証 1

参考:1929年の大暴落

1950年より前まで広げると、S&P500は1929年9月16日の終値31.86から、1932年6月1日の4.40まで86.2%下げました。終値でこの高値を上回ったのは1954年9月22日で、高値から25年後です(配当を含まない株価での計算)。

追加検証 2

日経平均:高値から20%以上下げた9回

表は横にスクロールできます

高値の日下落率高値→底底→高値の回復合計
1953年2月−37.8%2か月3年3年2か月
1957年4月−20.7%8か月9か月1年5か月
1961年7月−44.2%4年3年3か月7年2か月
1970年4月−23.9%2か月1年1か月1年2か月
1971年8月−20.7%0か月(11日)4か月5か月
1973年1月−37.4%1年9か月3年6か月5年2か月
1987年10月−21.1%1か月5か月6か月
1989年12月−81.9%19年2か月14年11か月34年2か月
2024年7月−26.3%9か月4か月1年1か月

最も極端だったのが1989年12月29日の高値(38,915円87銭)からの局面です。2009年3月10日の7,054円98銭まで81.9%下げ、元に戻るには約452%、つまり安値の5.5倍まで上がる必要がありました。終値で高値を更新したのは2024年2月22日の39,098円68銭で、高値から34年2か月後でした。

2024年7月の局面は、2024年8月の急落を含み、2025年4月7日の31,136円58銭まで26.3%下げましたが、2025年8月12日には高値を取り戻しています。

まとめ

下落率が深くなるほど、元に戻るのに必要な上昇率は加速度的に大きくなり、実際の相場でも回復までの時間は長くなっていました。S&P500では、35%未満の下落は2年2か月以内に回復した一方、45%以上の下落は回復に5年半以上かかっていました。そして、多くの局面で、下げるよりも戻る方に長い時間がかかっていました。日経平均のバブル崩壊のように、回復に30年以上かかった例もあります。

この検証の限界

この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。

  • 配当を含まない株価指数で計算しています。配当を再投資した場合は、回復までの期間は短くなります。
  • 物価の上昇を差し引いていない、名目の値で計算しています。
  • S&P500で45%以上下げた局面は3回しかなく、回復期間の目安としては回数が少ない結果です。
  • 株価指数の結果です。個別の銘柄では、下落がより深く、高値を取り戻せないこともあります。
  • 本記事は過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。また、特定の商品の売買を推奨するものではありません。

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公開日:2026/10/08 | データの時点:S&P500はYahoo Finance、日経平均はFREDの日次の終値。1950〜2025年(S&P500は参考として1929年の暴落も計算)