
「株は年平均10%」は本当?平均どおりの年は100年で何回あったか、S&P500で検証
- 8〜12%に収まった年100年中6回5〜15%でも17回
- +20%以上の年38回−10%以下は12回
- 100年持った場合の年率10.49%単純平均は12.35%
- 30年持った場合の年率71通りすべて8.5〜13.7%期間は互いに重なっている
一言結論
「年平均10%」は100年持ち続けた結果の年率で、平均くらいの年は100年で6回だけだった。
「株は長期で見れば年平均10%くらい上がる」。よく聞く言葉で、数字自体は間違いではありません。では、実際に「平均くらい」だった年は、どれだけあったのでしょうか。S&P500の配当込みの年間リターンを、1926年から2025年までの100年分数えました。
この記事の結論
- 8〜12%の年は6回1926〜2025年の100年で、S&P500の配当込みのリターンが8〜12%に収まった年は6回(1926、1959、1968、1993、2004、2016年)だけでした。5〜15%に広げても17回です。
- +20%以上38回、−10%以下12回+20%以上の年が38回、−10%以下の年が12回あり、「平均くらい」から大きく外れた年のほうが多数派でした。最高は1933年の+53.99%、最低は1931年の−43.34%です。
- 年平均10%は複利の年率「年平均10%」は、100年間持ち続けた場合の年率(複利で10.5%)です。毎年の予定ではありません。
- 長く持つほど平均に近づいた1年ではばらばらでも、持つ期間を長くすると平均に近づきました。30年続けて持った場合の年率は、71通りすべてが年8.5〜13.7%に収まっていました。
この検証は動画でも解説しています:動画を見る
検証条件・計算方法を見る
検証に使ったデータ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データ | S&P500の配当込みの年間リターン(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのデータ、Slickcharts掲載) |
| 期間 | 1926〜2025年の100年。1926〜1956年は、S&P500の前身の指数(S&P 90) |
| 配当 | 配当を再投資したものとして含む |
100年分の年間リターンの分布
表は横にスクロールできます
| 年間リターン(配当込み) | 回数 | 主な年 |
|---|---|---|
| +50%以上 | 2回 | 1933年(+53.99%)、1954年 |
| +40〜50%未満 | 3回 | 1928年、1935年、1958年 |
| +30〜40%未満 | 15回 | 1995年、2013年、2019年など |
| +20〜30%未満 | 18回 | 2023年、2024年など |
| +10〜20%未満 | 22回 | 2025年(+17.88%)など |
| 0〜+10%未満 | 14回 | 2015年(+1.38%)など |
| 0〜−10%未満 | 14回 | 2018年(−4.38%)など |
| −10〜−20%未満 | 6回 | 2022年(−18.11%)など |
| −20〜−30%未満 | 3回 | 1930年、1974年、2002年 |
| −30〜−40%未満 | 2回 | 1937年、2008年(−37.00%) |
| −40%以下 | 1回 | 1931年(−43.34%) |
最も多かったのは+10〜20%未満の22回で、その次が+20〜30%未満の18回、+30〜40%未満の15回でした。100年のうちプラスの年が74回、マイナスの年が26回です。
「平均くらい」の年は、100年で6回
平均の10%から上下2%、つまり8〜12%の年を「平均くらいの年」として数えると、該当するのは1926年、1959年、1968年、1993年、2004年、2016年の6回でした。およそ17年に1回です。範囲を5〜15%に広げても17回で、6年に1回程度です。
いちばん多かった+10〜20%未満の22回も、12%までに収まったのは6回で、残りの16回は12〜20%の年でした。
| 区分 | 回数(100年中) |
|---|---|
| 8〜12%(平均くらい) | 6回 |
| 5〜15% | 17回 |
| +20%以上 | 38回 |
| −10%以下 | 12回 |
「年平均10%」の正体
100年分の年間リターンを単純に足して100で割ると、12.35%になります。一方、100年間ずっと持ち続けた場合の増え方を1年あたりにならした数字(複利の年率)は10.49%です。「年平均10%」は、こちらの数字です。
つまり、年平均10%は「100年間持ち続けた結果を、毎年同じペースで増えたとみなしたら」という数字です。100年のうちのある1年を取り出したとき、その年が10%前後になるとは限りません。実際には、100回中94回は8〜12%の外でした。
持つ期間を長くすると、平均に近づいた
表は横にスクロールできます
| 持つ期間 | 通り数 | 年率が8〜12%だった通り数 | 年率の範囲(最低〜最高) |
|---|---|---|---|
| 1年 | 100通り | 6通り | −43.3%〜+54.0% |
| 5年 | 96通り | 17通り | −12.5%〜+28.6% |
| 10年 | 91通り | 17通り | −1.4%〜+20.1% |
| 20年 | 81通り | 33通り | +3.1%〜+17.9% |
| 30年 | 71通り | 51通り | +8.5%〜+13.7% |
※1926年以降の各年を始点として、その年から続けて持った場合の年率(配当込み)。
1年では−43%から+54%までばらついた成績も、30年続けて持つと、71通りすべてが年8.5〜13.7%に収まっていました。「年平均10%」は、1年ごとの予定ではなく、長い期間持ち続けたときに近づいていく数字だったと言えます。ただし、10年でもマイナスの通りが4つあり、20年でも年3.1%にとどまった期間がありました。
また、長い期間の通りは、互いに期間が大きく重なっています。100年の中で重ならない30年の期間は3つしか取れないので、30年の71通りは、71回の別々の結果ではありません。「すべてが8.5〜13.7%に収まった」のは、米国株のこの100年という1つの歴史の中での結果です。
まとめ
S&P500の配当込みのリターンが「平均くらい」(8〜12%)だった年は、100年で6回だけでした。平均から大きく外れた年のほうが多数派で、+20%以上の年が38回、−10%以下の年が12回ありました。年平均10%は、100年間持ち続けた場合の年率であり、1年ごとの予定ではありません。持つ期間を長くするほど成績は平均に近づきましたが、それにも何十年という時間がかかっていました。
この検証の限界
この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。
- 配当込みのリターンで、税金や手数料は含みません。
- 1926〜1956年はS&P500の前身の指数(90銘柄)のデータです。
- 米ドル建てで、為替の影響を含みません。
- 過去100年の米国株の結果であり、他の国や今後の期間で同じになるとは限りません。
- 5年以上の期間の通りは、互いに期間が重なっているため、独立した結果ではありません。
- 本記事は過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。また、特定の商品の売買を推奨するものではありません。
堀江投資塾会員限定
統計検証PDFライブラリ
この記事の検証結果をまとめた保存版PDFをご用意しています。無料会員の方は、過去の統計検証レポートもまとめて閲覧・ダウンロードできます。
PDFライブラリを見る公開日:2026/10/08 | データの時点:S&P500の配当込みの年間リターン(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのデータ、Slickcharts掲載)。1926〜2025年の100年。1926〜1956年は前身の指数
