
10月は株が上がる月?米金利5%超の10月はどうなった?76年分のデータで検証
- 10月にS&P500が上昇した回数76回中45回12か月中7番目、1月と同数
- 10月の月中の下落率(平均)ナスダック−4.64%12か月で最も深い
- 9月末に米10年債5%以上の年の10月ナスダック29回中13回上昇同じ年の12か月で最下位
- 2026年9月末の米10年債5.29%2002年5月以来の高さ
一言結論
10月は言われるほど強い月ではなく、月の途中で深く下げやすい。金利が高い年の10月はさらに弱めだったが、回数は少ない。
「10月は株が上がりやすい月」と言われることがあります。本当でしょうか。また、2026年は米国の10年国債の利回りが9月末に5.29%と、2002年5月以来の高さで10月を迎えました。金利が高い年の10月は、どうだったのでしょうか。S&P500、日経平均、ナスダック総合指数の76年分のデータで検証しました。
この記事の結論
- 10月は12か月中で真ん中から下10月は、言われるほど強い月ではありませんでした。1950〜2025年の76回で、S&P500が10月に上昇したのは45回で、12か月の中で1月と並ぶ7番目の多さでした。日経平均は8月と並ぶ8番目、ナスダックは10番目です。
- 月の途中で深く下げやすい10月は、月の途中で深く下げやすい月でした。前月末から月中の最安値までの下落率の平均は、ナスダックで12か月中最も深い−4.64%、S&P500で8月に次ぐ−3.15%でした。
- 9月末5%以上の年は10月の上昇割合が低い(ナスダックは同じ年の中で最下位)9月末の米10年債利回りが5%以上だった年の10月は、5%未満の年より上昇した割合が低く、ナスダック(データがある29年)は、同じ年の12か月の中で比べても、上昇回数・平均・中央値のすべてが最下位でした。
- 回数が少なく、時代の違いも混ざるただし、回数が少なく、この程度の差は偶然でも起こりうる大きさです。また、9月末に5%以上だったのは1966〜2000年の時代に集中しており、時代の違いと金利の違いを完全には切り分けられません。
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検証の方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | S&P500と日経平均は1950〜2025年(76年)、ナスダック総合指数は1971〜2025年(55年) |
| 月の騰落 | 前月末の終値から、その月の月末の終値までの騰落率 |
| 月中の下落率 | 前月末の終値から、その月の中で最も安かった終値までの下落率(一度も前月末を下回らなかった月は0%) |
| 金利 | 米10年国債の利回り(FRED)。9月末の値で、5%以上の年と5%未満の年に分けた(1962〜2025年の64年) |
※配当を含まない株価指数で計算しています。
10月は12か月の中で何番目?
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| 指数 | 10月に上昇した回数 | 12か月の中の順位 | 10月の騰落率(平均/中央値) |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 76回中45回 | 7番目(1月と同数) | +0.90%/+1.03% |
| 日経平均 | 76回中41回 | 8番目(8月と同数) | +0.56%/+0.85% |
| ナスダック総合 | 55回中30回 | 10番目 | +0.76%/+2.16% |
10月は、平均で見るとプラスの月です。ただ、上昇した回数で12か月を並べると、どの指数でも真ん中から下の位置でした。「10月は株が上がりやすい」というより、「10月は言われるほど強い月ではない」というのが正確です。
9月に下げた年は、10月に戻りやすい?
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| S&P500 | 10月に上昇した回数 | 割合 |
|---|---|---|
| 9月に下落した年 | 41回中25回 | 約61% |
| 9月に上昇した年 | 34回中20回 | 約59% |
※1979年は9月が前月と同じ水準で終わったため、どちらにも入れていません。
9月に下げたかどうかで、10月の上がりやすさにほとんど差はありませんでした。日経平均(40回中22回と36回中19回)とナスダック(26回中15回と29回中15回)でも、はっきりした差は出ていません。
10月は、月の途中で深く下げやすい
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| 指数 | 10月の月中の下落率(平均) | 12か月の中の深さ | 月中に10%以上下げた10月 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | −3.15% | 2番目(最も深いのは8月の−3.25%) | 76回中2回(1987年、2008年) |
| 日経平均 | −3.86% | 3番目 | 76回中8回 |
| ナスダック総合 | −4.64% | 1番目(最も深い) | 55回中7回 |
月末には戻していたとしても、10月は月の途中で深く下げる場面が多い月でした。最も極端だったのは、ブラックマンデーが起きた1987年10月です。S&P500は9月末の終値から月中の最安値の終値まで30.1%下げ、月末でも21.76%安で終わりました。
9月末の米10年債利回りが5%以上だった年の10月
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| 指数(10月) | 9月末に5%以上だった年 | 9月末に5%未満だった年 |
|---|---|---|
| S&P500 | 34回中18回上昇/中央値+0.47% | 30回中21回上昇/中央値+2.13% |
| 日経平均 | 34回中16回上昇/中央値−0.16% | 30回中17回上昇/中央値+0.92% |
| ナスダック総合 | 29回中13回上昇/中央値−0.72% | 26回中17回上昇/中央値+3.92% |
3つの指数とも、9月末の金利が5%以上だった年の10月は、5%未満だった年に比べて、上昇した割合も中央値も低くなっていました。ただし、それぞれ30回前後ずつの比較なので、この程度の差(たとえばS&P500の34回中18回と30回中21回)は、偶然でも十分に起こりうる大きさです。「傾向がうかがえる」という程度に受け止めるのが妥当です。
ただし、時代の違いが混ざっている
9月末に5%以上だった34年は、1966〜1997年と1999年、2000年です(1998年は4.44%で5%未満)。2001年から2025年まで、9月末に5%以上だった年は1度もありません。つまりこの比較は、金利の高さの比較であると同時に、1966〜2000年の時代と、それ以外の時代の比較にもなっています。
同じ年の中で比べると
そこで、9月末の金利が5%以上だった年だけを残し、その年の12か月の中で10月が何番目だったかを調べました。同じ年の中で比べれば、時代全体の強さ・弱さとは別に、10月の位置が分かります。
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| 指数 | 10月の順位(上昇回数・平均・中央値) | 10月の数字 |
|---|---|---|
| S&P500 | いずれも12か月中8番目 | 34回中18回上昇 |
| 日経平均 | いずれも12か月中10番目 | 34回中16回上昇、平均−0.03% |
| ナスダック総合 | いずれも12か月中最下位 | 29回中13回上昇、平均−0.80%、中央値−0.72% |
ナスダックは、同じ年の中で比べても、金利が高かった年の10月は12か月の中で最も弱い月でした。反対に、9月末の金利が5%未満だった26年では、ナスダックの10月の中央値は+3.92%で、12か月の中で最も高い月でした。ただし、これだけで「金利が高いから10月が弱い」と言い切ることはできません。12か月を並べれば必ずどれかが最下位になり、3つの指数のうちどれかの10月がたまたま最下位になることも、4回に1回ほどは起こります。言えるのは、金利が高かった時代に、10月の弱さが特に目立ったのはナスダックだった、ということです。
今年に近い条件の3回
その年のうちに米10年債の利回りが5%を突破し(直前の60営業日がすべて5%未満だった状態から、終値で5%以上になった日)、9月末も5%以上のまま10月を迎えた年は、1962〜2025年で3回でした。
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| 年 | 5%突破/9月末の利回り | S&P500の10月(月中の最大の下げ) | 日経平均の10月 | ナスダックの10月 |
|---|---|---|---|---|
| 1966年 | 2月・7月/5.02% | +4.75%(−4.4%) | −1.67% | ― |
| 1967年 | 6月/5.31% | −3.53%(−3.5%) | +3.94% | ― |
| 1999年 | 2月/5.90% | +6.25%(−2.8%) | +1.91% | +8.02% |
S&P500は3回中2回上昇しましたが、3回とも月の途中で2.8〜4.4%下げる場面がありました。なお、9月中に5%を突破して、そのまま10月を迎えたのは、1962年以降で2026年が初めてです(突破は9月15日)。
2026年の位置:金利の「上がる速さ」
2026年9月末の米10年債利回りは5.29%で、2002年5月以来の高さです。9月末までの63営業日(約3か月)の上昇幅は0.81%でした。
「金利上昇は株価にとって危険か」の記事で確認したとおり、約3か月で1%以上の金利上昇は1962年以降20回あり、その1年後にS&P500が上がっていたのは20回中16回でした。一方、1.5%以上まで加速した10回では、1年後の上昇は10回中5回、中央値は−2.5%に悪化していました。
9月末の時点で約3か月の上昇幅が1%を超えていたのは、1980年(1.73%)、1981年(1.80%)、1987年(1.27%)の3回です。1987年は10月に入って上昇が加速し、10月8日に1.54%、16日には1.87%に達しました。ブラックマンデーは、その次の営業日の10月19日でした。2026年は、9月末の時点でまだ1%に届いていません。
その後(2026年10月の結果)
2026年10月のS&P500・日経平均・ナスダックの結果と、月中の下げの深さは、11月初めにここへ追記します。
まとめ
76年分のデータでは、10月は言われるほど強い月ではなく、月の途中で深く下げやすい月でした。9月末の米10年債利回りが5%以上だった年は、10月の成績がさらに弱く、特にナスダックは同じ年の中で比べても最も弱い月でした。ただし、金利が高かった年は1966〜2000年に集中しているため、金利の影響と時代の影響を完全には分けられません。
この検証の限界
この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。
- 9月末に5%以上だった年は34回(ナスダックは29回)で、ほぼすべてが1966〜2000年です。2001年以降の例はありません。
- 5%以上と5%未満の比較は、それぞれ30回前後ずつで、差は統計的に確かと言えるほど大きくありません。
- 今年に近い条件の年は3回だけです。
- 月末の終値と、月中の日々の終値で計算しています(取引時間中の安値は使っていません)。
- 配当を含まない株価指数で計算しています。
- 本記事は過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。また、特定の商品の売買を推奨するものではありません。
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PDFライブラリを見る公開日:2026/10/08 | データの時点:株価は1950〜2025年の月次(ナスダックは1971年から)、米10年債利回りはFREDの日次(1962年から、2026年は9月30日まで)
